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ここは、『探偵事務所クロワッサン』。

客の来ない探偵・神無月はづきと、かわいそうな助手・峰岸喜久子が二人きりで切り盛りしている事務所です……。




第4話「ジャガーの慟哭」




峰岸:ただいまー。ご飯買って来ましたよー先生。今日の夕飯はすき焼きにしますよー……ってあれ、何かギターの音が……先生?

はづき:(♪ジャカジャカジャカ……ジャジャン!)

峰岸:おぉう、楽しそうですね。へー、ギターなんか持ってましたっけ?

はづき:落ちてたの拾った!

峰岸:それは……確か遺失物横領罪になるような……。

はづき:…………拾ってない!

峰岸:そ、そうですか。まあ、私は黙ってますけどね。でもギターかー、私昔持ってましたよ。ちょっとしか弾けませんけどね。

はづき:お、試しにどうぞ。(渡す)

峰岸:はいはい。それじゃあ、こんな感じですが……。(禁じられた遊びを弾く)

はづき:おおー! ……お、いいこと閃いたぞ!

峰岸:完全スルーだ! がっかり! ……って、何を思いついたんですか?

はづき:君は今からギター探偵 峰岸喜久子だ!

峰岸:マジか! 何か波田陽区みたいな名前付けられた! ……って、私が探偵なんですか!?

はづき:そうだ。ギターの調べと共に推理。

峰岸:いやいやいや、ちょっと待ってくださいよ! 私探偵なんか出来ませんよ! それどころか、ギター弾きながらなんて!

はづき:大丈夫。ためしに1個謎を解いてみよう。

峰岸:マジですか……。分かりました、先生がそこまで私の可能性に期待しているなら、頑張ってみます! で、謎ってどんな謎ですか?

はづき:ちょっとした謎なんだけどな。Aさんは、動物園に行った。そこで象を見たんだ。

峰岸:はいはい。(♪ジャンッ)

はづき:次に、たくさんの動物を見た。さて問題。

峰岸:はいっ。(♪ジャジャジャンッ)

はづき:Aさんは、象ともう1つ動物が好きです。それはいったいなんでしょうか? ヒントは君がギター探偵だってところ。

峰岸:う~ん、それはですねっ!(♪ジャカジャカジャカジャカジャンッ) ……いや分かりませんよッッ!

はづき:簡単じゃないかー。しまうまだよ。

峰岸:ええっ!? しまうま……? ど、どうしてなんですか?

はづき:ギターと言えばバンド。バンドと言えばエレカシ。

峰岸:ほえ?

はづき:エレファントカシマシマ。

峰岸:わかりませんよ!! あんまりなぞなぞにもなってないし! 「バンドと言えばエレカシ」って、それ先生が好きなだけじゃないですか!

はづき:良いじゃないか「今宵の月のように」。

峰岸:私も大好きですけどね! いやでも、その謎は思わずくだらねえと呟きたくなるところでした! 先生、どっちにしろ私にはギター探偵無理そうです。ギター探偵は先生に襲名してもらいます。(ギターを渡す)

はづき:えー。弾けないよー。

峰岸:さっきじゃかじゃかやってたじゃないですか! 先生やってみてくださいよ。少なくとも、私には謎を解く能力は無さそうですし。

はづき:分かったよ…。(適当にかき鳴らしてる……つもりがちゃんと弾けてる)

峰岸:あっ、ちゃんと弾けてる! 弾けないとか言っといて上手いじゃないですかあ! ギター探偵 神無月はづきだ!

はづき:えっ、マジで? …おー、そうかそうか…(嬉しそう)

峰岸:じゃあ、先生。いや、ギター探偵。是非、謎を解いてもらいましょう!

はづき:お、来い!(調子乗ってる)

峰岸:今日の夕飯は、先生の大好きなすき焼きにする予定です。この通り、色々食材を買ってきてます。

はづき:あ、ホントだ! 食べよう! 焼こう! 煮よう!

峰岸:謎聞けよ! そこでです。今日、私がすき焼きの為に調子に乗って買っちゃったお肉があります。それはいったいなんでしょうか? ヒントは先生がギター探偵というところです。

はづき:ほう……。(めちゃくちゃかき鳴らしてたら「スリラー」に)

峰岸:マイケルジャクソン! 凄いテク!

はづき:ヒントないの?

峰岸:……ギター探偵と言うところです。(遠い目)

はづき:どこ見てんの! ねえどこ見てんの!(めちゃくちゃな「イマジン」)

峰岸:弾けてないです先生! いや、まあ……ヒントは、その、マイケルとかレノンとかと違う、日本のバンドと言うことです……。

はづき:ジャパン…?(「波乗りジョニー」)

峰岸:邦楽に帰ってきた! 夏でもないと言うのに波乗りジョニー!

はづき:……答えは?

峰岸:……ギターと言えばバンド。バンドと言えばマキシマムザホルモン。

はづき:どこの世界の人間がバンドの代表格ホルモンにするんだよ!

峰岸:……いや、MTH好きなんですもん、私昔からの腹ペコなので。良いですよね、「恋のメガラバ」。

はづき:知らねえよ! 凶器並べたあの変なタイトルの奴しか知らねえよ!

峰岸:ああ、包丁・ハサミ・カッター・ナイフ・ドス・キリですね。あれ、包丁・ハサミ・ナイフ・カッター・ドス・キリだったかな? いや、包丁・ナイフ・ハサミ・カッター・ドス・キリ……?

はづき:順番どうでもいいわ!

峰岸:麺カタこってり! ……と、まあこの辺で終わりにして、ホルモン焼きも作ろうと思うんで。そろそろお腹減りません? 夕飯にしませんか?

はづき:そうだね。ギター探偵は無かったことにしよう。

峰岸:じゃ、コンロ出して……と。土鍋はここに入ってたはず。あ、先生、そこからお皿とお箸出しといてください。

はづき:あーい。(取り出す)

峰岸:えっと、あ、土鍋洗っといたほうが良さそうだな……。ささっと洗っちゃおう。

はづき:えー。まーだー?

峰岸:もう少し待っててくださいね、くそ、前やった時にちゃんと洗えてないなさては……。

はづき:まーーーーだーーーー?(皿で箸を叩く)

峰岸:お行儀悪いな! 子供じゃないんだからちんちきやらないで! もうちょっと待っててくださいね、これ拭いちゃったらすぐ準備しますんで……。あ、ご飯も解凍しないと……。

はづき:はづき:まーーーーーーーーだーーーーーーー!!(叩きまくる) ……あ。

峰岸:うるさいな! ……どうしたんです?

はづき:ドラム探偵ってどう?

峰岸:全然懲りてない! このバンド解散させてください!
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第3話「秋の夜長に向日葵は咲かない」




峰岸:おはようございまーす! ……ん? おはようございまーす!
   ……あれ? 先生まだ寝てるのかな。先生? 先生ー……って、うわあ!? そ、そこにいたんですか!!


はづき:Zzz...Zzz... あ、あ、おは、おはよう……。

峰岸:もー、ソファで寝ちゃって……。
   髪の毛ぼさぼさですよ。くま出来てるし。
   あー、何ですか、また夜更かししてたんですか?


はづき:そ、それをやってた……。

峰岸:んー? ……おぉう、PSPだ。何時の間に先生、PSPなんか買ったんですか。

はづき:経費を使って。

峰岸:何経費フリーダムに使っちゃってんの!? PSPが仕事に何の関係があると言うの!?
   そもそもどうしてゲーム買うお金があって、私のお給料を払うお金が無いんですか!
   私、もう二ヶ月もお給料貰ってないんですよ!


はづき:……1ヶ月分は物資支給したじゃん……。

峰岸:物資支給……? って、もしやおとといのこち亀1巻~40巻の古本の事ですか!?
   先生が漫画くれるなんて妙だなーと思ったら、あれ私の給料だったんですか!?


はづき:それとアルパカピバラ靴下。

峰岸:それあんたが懸賞で当てた奴だろ! そして変なキマイラ作り出さないで下さいよ! あれも給料だったの!?

はづき:給料だったの。

峰岸:マジか……ショックだわ……。こち亀も絵が古い奴だし、靴下も3足しか貰ってないし……。
   それにしても、先生がゲームなんて珍しいですね。何のゲームやってたんですか?


はづき:RPG……ってやつ?

峰岸:おー、王道ですね。ロールプレイングゲーム。

はづき:で、これやってたら推理方法思いついたよ!

峰岸:ぅぇ……マジですか。
   今日は剣と魔法のファンタジーで推理するつもりなんですか。深夜のテンション恐るべしですね。
   いったい、どうやるつもりなんです?


はづき:まずはクライアントの案件を、モンスターと考える。

峰岸:いきなりお客さん敵扱い!?

はづき:いや、あくまで案件をだよ。

峰岸:お、おぉう、そうですね……先走りました。それでそれで?

はづき:例えば「夫が浮気をしているかどうかを調べたい」という案件なら、こっちが持ってる武器は「夫の普段の通勤ルート」とか「夫の同僚」とかになるでしょ。

峰岸:お……おぉ、今度はちゃんと考えるタイプの推理方法だ! 良いですね!
   お客さんには失礼極まりないですが、何だか楽しくなってきました!


はづき:そうしたら、手段のチョイスに移るわけだ。「しらべる」「ききこみ」とかな。

峰岸:何かポートピア連続殺人事件みたいになってきましたねえ!
   うわー、先生! 凄いです! 何か先生が探偵みたいでかっこいいです!


はづき:そうして、私が使う手段。それは……。

峰岸:それは……!?

はづき:「たたかう」だ。

峰岸:駄ー目だぁー!?

はづき:だってー! このモンスター可愛いのにみだれひっかきしてくるんだよー! ウザいー!

峰岸:現実とゲームがごっちゃになってる!
   先生、リアルワールドにモンスターはいません! あと多分それ野良猫です!


はづき:…はっ! 夢かうつつか分からなくなっていた…。

峰岸:大丈夫ですか先生、目が死んでます!
   もう今日は午前中事務所閉めましょう! 休んでください!
   このままだと私まで攻撃されそうで怖いです!


はづき:……財宝を奪ったのはお前だなああ!!
   叩き切ってやる!!! 経験値よこせええ!!!


峰岸:Nooo!! やっぱり攻撃してきた!
   先生、私は盗賊でも経験値多目にくれるレアモンスターじゃないですよ!
   私を切ってもお金も経験値も貰えませんってば!


はづき:ハッ……君は、魔法使い……?

峰岸:いい加減ファンタジーから帰ってきてくださいよ!
   何で盗賊じゃなかったら魔法使いになるんですか!?
   私がMP消費してるとこ見たことあるんですか!?


はづき:……姫、姫じゃないか!

峰岸:これまた盗賊から相当のランクアップですね! 良く見てください先生!
   私、王冠被ってませんよ!? 先生と同じ、一般庶民ですよ!?


はづき:……は! み、峰岸くんか……!

峰岸:い、意識が戻ったんですね先生! 良かった!
   あ、あとその箒下ろして! さっきから何度か叩かれてるんで!


はづき:まさか……これは、伝説の飛べるホウキ……?!

峰岸:魔法使い出てきちゃった!
   装備アイテムじゃないですよ、それ! ニンバス2000じゃないですよそれ!


はづき:……はっ! み、峰岸くんか……。

峰岸:おぉぉ、正気に戻るタイミングが早くなってきた。先生、大丈夫ですか?
   HPゲージとか、もう見えてないですよね?


はづき:だ、大丈夫だ。見えてない。

峰岸:それならもう大丈夫ですね……。
   何かもうこれ以上先生と会話してると、より強力な棒で殴られそうなんで、いい加減寝てくださいよ。


はづき:むぅ……そうだね、寝ることにする。

峰岸:分かりました。じゃあ、ベッドメイクしときますんで……先生、ちょっとそこで待っててくださいね。

はづき:分かった。

峰岸:本当に待っててくださいよ?
   ……じゃ、ちょっと行ってきますねー。


はづき:……「にげる」!


五分後……。


峰岸:先生ー、お布団寝れるようにして来ましたよー……って、ルーラ使いやがった! 魔法使いかよ!
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第2話「D坂の無限けんけんぱ」




峰岸:ふー、今日は良い天気だなー。洗濯物も良く乾きそうだし。
   お日様があったかいなあ……。靴下は裏返して、と……。


はづき:Zzz...Zzz...

峰岸:……先生はソファでお昼寝中か。まあお客さんも来ないし、仕方ないよねえ。
   ……一通り終わったら、私もお昼寝しちゃおうかな……。


はづき:……っ! これだー!(洗濯物に向けてダッシュ)

峰岸:うわぁっ!? きゅ、急に何です先生!?
   いきなり大声出さないで下さいよ! びっくりして肝何個も潰しますよ!


はづき:靴下! 靴下を貸せ!

峰岸:は、はあ? 良いですけど……まだ湿ってますよ。

はづき:……乾かせ!

峰岸:すぐは無理ですよ! お天道さんに言ってください!

はづき:……乾いたら言って!

峰岸:は、はあ……。……どうしてもと言うのなら、レンジでチンしましょうか?

はづき:いや……待つ!

峰岸:わ、分かりました。お日様パワーに期待しててくださいね。
   ……それにしても、いきなりどうしたんですか?


はづき:また新しい推理方法が浮かんだんだ。

峰岸:うわ、またですか……。今度はどんな奇天烈な手段を思いついたんですか先生?

はづき:靴下を目瞑って履いて、左右裏表まったく間違えずに履けたら、考えてることが正しい!

峰岸:またヘボい推理方法を……。どうせ止めたって聞かないんだろうな……。
   分かりました。確かに、まあ、靴下が濡れてたら駄目ですね。
   ……あれだったら買い置きがあるんで、新しい靴下卸しましょうか?


はづき:そうしよっか。

峰岸:はいはい、ちょっと待ってくださいね……。
   はい、どうぞ。アルパカさんの顔が付いてる奴ですけど。


はづき:センス……! まあいいや。では峰岸、これを左右裏表くちゃくちゃにしてくれ。

峰岸:はあ……こんなかんじですが、良いですか?

はづき:よし……。(目を瞑って)
   ……ほいほい……。
   いや、こっちか……。

   ……どうだ!!


峰岸:ああっ、駄目です先生! 右足のアルパカさんが後ろ向いちゃった! 左右も逆ですよ!

はづき:ダメかー……。じゃあ二週間は依頼人来ないなあ。

峰岸:えぇえ!? なんて推理してくれてんですかあんた!? この事務所潰れちゃいますよ!?

はづき:……じゃあ峰岸君もやってみる?

峰岸:わ、私ですか? ……う、分かりました。
   このまま二週間お客さんが来ないのはマズいでしょう。
   ならば、私が完璧に揃えてこの事務所に依頼人を沢山呼んであげます!
   の前に、ちょっと待っててくださいね。(すたすた)


はづき:しっかしなんでこんな無茶苦茶な履き方に……。

峰岸:……はい、お待たせしました。私も新しい靴下持って持って来ました。カピバラさんです。

はづき:センス! センスが!

峰岸:じゃあ先生、カピバラさんの靴下を左右表裏くちゃくちゃにしてください。
   ただし、優しくやってくださいね。かわいそうなんで。


はづき:これ柄だぞ……。(くちゃくちゃ)

峰岸:はい、ありがとうございます。
   よーし……。(目を瞑って)
   ……あれ、こ、こっちかな……。
   ……う……出来たっ!

   どうですか先生!? 合ってるでしょ!


はづき:……これは依頼者来ないなあ。左右は合ってるが両方裏だ。

峰岸:ノー! カピバラさんが全部かかとの下にー!

はづき:かわいそうだねー。踏まれちゃってねー。

峰岸:うぅぅ……ごめんなさいカピバラさん……。先生、この死亡遊戯止めましょう……。
   例え上手く履けたとしても、そんな簡単に依頼人が来るとは思えませんし……。


はづき:死亡遊戯って……。

(ピンポーン)

峰岸:えっ、あっはーい! せ、先生、きっと依頼人さんですよ!
   あ、ネクタイ! ちゃんと締めといてください!


はづき:……わ、分かった。……あ、おーい! カピバラ踏んだ状態で来客を迎えるのは……!

峰岸:え、おおう、そうでした! カピバラさんごめんね!
   あ、先生もほら! アルパカさんが片ちょんぱになっちゃってる! 靴下! 靴下!


はづき:あ、そっかあたしもか。ちょっと待て、今履きなおす……。

峰岸:先生! 早く! 早く!

はづき:……あれ、呼び鈴が消えたな。

峰岸:ああーっ、お客さんほっといて靴下脱いだりしてるから!!
   ちょ、ちょっと待っ……(ガチャッ) あーもー、誰もいなくなっちゃったじゃないですかー!


はづき:……これも靴下の履き方を間違えるからか……。……って、ん? それ宅急便の不在票じゃ。

峰岸:あ、本当だ……。ポストに不在票入ってた。
   なーんだ、依頼人さんじゃなかったのか……。はい、これ先生宛ですよ。


はづき:ほいほい、ん? ……お、やった! 懸賞が当たった!

峰岸:えぇ!? 本当ですか! 凄いですね! 何が当たったんですか!?

はづき:……靴下。

峰岸:おぉーう……テンションが音を立てて下がっていきます。何か凄く大したものじゃないですね……。

はづき:しかもアルパカ。

峰岸:きゃーん!☆

はづき:擬音を喋る人初めて見たぞ。

峰岸:だってアルパカさん好きなんですもん! 配達員さんに早く来てもらいましょう!
   今からセンターに電話しますね! 不在票貸してください!


はづき:はいよ。

峰岸:はい、ありがとうございます!
   (プルルルル)もしもし、スラガラ運輸さんですか?
   あの、今ちょっと出れなくて不在票貰っちゃったんですけど……。



(…すぐ持ってきてくれました…)


峰岸:わーい! 流石ぁ早い!
   ふふふふふふふ、先生ぇーもう開けちゃって良いですよねー? ふふふふふふふ。(箱なでなでしてる)


はづき:何と言うか、こう……うん。気持ち悪い。

峰岸:何とでも言ってください! じゃあ開けちゃいますよー。(べりべり)
   わーい! アルパカさんだー! ウインクしてる! ウインクしてるー!


はづき:うん。やっぱり気持ち悪い。

峰岸:気持ち悪くないですー! 可愛い峰岸ちゃんですー!
   じゃ、これ履いちゃいますね異論は認めません履いちゃいましたー!


はづき:テンションゲージどうなってるんだい。……おい、テンション上がりすぎて表裏逆だよ。

峰岸:あははははー! アルパカさんだー! あははははー!(聞こえてない)

はづき:アルパカ踏んでるぞー!!

峰岸:おおう、何ですか先生いきなり大声出して……。驚くじゃないですか……。
   何ですか、アルパカさんに愛されてる私が羨ましいんですか?
   はっ、まさか先生……私に嫉妬の心があるパカ!?


はづき:ないパカ。……靴下。

峰岸:え? 靴下が何ですって? あっ、もー。何ですか先生、裏返しじゃないですか。
   おっちょこちょいな先生だなあ、あはは。(靴下を元に戻す)


はづき:履いたの君だろ。あー、もうめんどくさい。テレビでも見ようっと……。

テレビ「ここ、那須のアルパカ牧場のアルパカ達は……」

峰岸:わー! アルパカさんだー!(テレビに駆け寄る)
   白くてふわふわだー! 時折くっさいツバ吐くけど白くてふわふわだあー! 可愛いぃー!!


はづき:……靴下はアルパカを呼ぶ……。これ、覚えておこう……。

峰岸:かーわーいーいーっ!!
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第1話「十角館によろしく」




はづき:(イスに座って難しい顔をしている)

峰岸:先生ー? はづき先生ー? ……何してるんですか。

はづき:いやあ、依頼が全くこないから、新しい推理方法を見つけているんだよ。

峰岸:また先生お得意のオカルト推理法ですか? はい、コーヒー淹れましたよ。砂糖どうします?

はづき:入れないでいいよ。……うーん、これもダメだし…。

峰岸:はい、どうぞ。……どんな推理法なんですか?

はづき:今は、「広辞苑で引いたワードからの閃き」推理法を実践しているんだ。

峰岸:うわ、またランダム性の高い推理法ですね。どうやるんです?

はづき:目を瞑って、広辞苑のページをてきとーに引く。そのワードから推理をする。それだけ。

峰岸:何の捻りも無かったッ! ……本当にそんな方法で推理出来るんですかあ?

はづき:試しにやってみようか。峰岸くん、最近困ってることはないか?

峰岸:困ってることですか? 先月分の給料が振り込まれていないことですかね。

はづき:……他に。

峰岸:分かりました。そうですね……これはどうでしょう?
   私、さっきシャーペンの後ろの消しゴム無くしちゃったんです。
   事務所のどこかだとは思うんですが……。これ推理してくださいよ。


はづき:……よし。(パラパラ……)
   ここだ!


「秘密」

峰岸:秘密……ですか?

はづき:秘密……。そう、峰岸くん。消しゴムでなにか秘密を消そうとはしなかったかね?

峰岸:秘密を消す……? ……ぁっ。…………はあ、消した、かも、しれま、せんねえ。(目が泳ぐ)

はづき:どうした。吐け。

峰岸:いや、はっはあ……。な……なんでもありませんよー……。

はづき:(パラパラ……)

「甘さ」

はづき:「甘さ」って出たぞ。

峰岸:あ、甘さ!? えぇ、まさか私の甘い恋のポエ……っとぉ! ……ピュルル~(口笛)

はづき:もう答え見えたけど……(パラパラ……)。

「白」

峰岸:これは、白馬に乗った王j……ッッ!! やめましょう! もうこの推理法やめましょう!
   多分もう消しゴム出てきませんよ! 出てこなくても良いです! あはははは!


はづき:……あ。

峰岸:な、なんですか?

はづき:分かったぞ。消しゴムの位置。

峰岸:わ……分かっちゃったんですか?

はづき:「白」「甘さ」そして、「秘密」。これから導き出される答え。それは……。

峰岸:そ、それは……?

はづき:峰岸くん。砂糖のビンだ。

峰岸:え、砂糖の瓶……? ど、どうしてですか!?

はづき:それは後で話す。スプーンで探してみろ。

峰岸:はあ……じゃ、見てみますけどね。(ごそごそ)
  ……んえ!? あ、あった! これ私のシャーペンの消しゴムだ! どういうことですか先生!?


はづき:ここで、「秘密」が関わってくる。そう、その秘密とは。

峰岸:ゴクリ……。

はづき:その辺に落ちてたその消しゴムを、わたしがえーいって適当に投げたら、入った。

峰岸:何してくれてんだこいつ!? じゃあ答え始めっから分かってたんじゃないですか!

はづき:いや、さっき思い出した。

峰岸:知りませんよ! まったくもー……お砂糖がばっちくなっちゃったし。
   先生、こんなの推理じゃ私納得いきません。やり直しを要求します!


はづき:まったく……なんだい。どんなことすればいいんだい。

峰岸:そうですね。……このコーヒー、新しく豆買ってきたんです。ちょっと奮発しちゃったんですけどね。この銘柄を、推理で当ててください。

はづき:はぁ……銘柄ねえ?(パラパラ……)

「青山」

はづき:……んん? 「青山」?

峰岸:青山……? お……おぉう、青山ですか。ははあ、先生流石ですね。

はづき:あ、なるほど。……そういうことか。

峰岸:さあ、なんという銘柄でしょう!

はづき:……ジョージアだ!

峰岸:バカですか。ブルーマウンテンです。あとそれ缶コーヒーのメーカーです。

はづき:あっそ、つまんないの。……広辞苑推理やめよーっと。

峰岸:早ッ!?

はづき:(広辞苑を適当な場所に置いてどっかに消える)

峰岸:……えぇえー……。……ゆ、夕飯までには帰ってくるんですよーっ!

はづき:あーい。(耳にひっかけていたペンを見ずに投げる)

峰岸:ちょっ、乱暴な……。……うおっ!? お砂糖の瓶にスポッて入った! え、嘘……えぇー!?
   えっ、なにこれ不思議! ……すげー!
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